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茶室の早春




風ふかれる侭に

柔らかな匂いを立て


雪柳の枝花が

もの静かにしている。



葉、ひとひら


ほどけた薄色の湯に

春の湖を想い


くすぐったいような

水あやが唇に滲む、


舌を包む滑らかさと

優しく舞う甘やかさ


山の春ひより、

吹花はく柳を味わう。


le you




春の高山、老木よりすくっと伸びた頂芽、ゆっくりと生長することから自然の、野生の滋養と植物の生理的物質が多く含まれて、多様に生まれる香りと濃く甘い味ゆき、煎ごとに増してゆく風情と深い余韵ゆえに叶う、ひとひらの日常茶。


茶、一席


#吸花擘柳



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