2022年3月16日茶室の早春風ふかれる侭に 柔らかな匂いを立て 雪柳の枝花が もの静かにしている。 葉、ひとひら ほどけた薄色の湯に 春の湖を想い くすぐったいような 水あやが唇に滲む、 舌を包む滑らかさと 優しく舞う甘やかさ 山の春ひより、 吹花はく柳を味わう。 le you...
2022年3月8日朧ろの記憶雨の降るようにして 地を潤す光のもとに まだ薄ベージュのちいさな茶葉が 春の朧に見ていた記憶を追いかける / ひかりの余韻、 ふっと消えてしまいそうなほどの ひと瞬きの景色 茶湯へ映るかな ひと杯を掌にのせて うけとる抽象性をていねいに じぶんの身体へなじませていく。...
2022年3月6日朝茶、一席山の夜明け、 葉先にあつまる光の粒が かすかに訪づれて落ちる、 「その瞬間の味わいよ。」 そう 布朗族の茶師、 黄さんは言っていた。 浮かぶ土の匂い 露の甘やかさを 水に映る風景が包みこむ。 何気なく見ている ふわとしたところを 深く、 その一瞬は 目をそらさずに、...