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かみ


間借りの一室を

やっぱりふと

思い立つままに

かみで整えました


手で漉かれたかみ

植物の繊維の絡まる

間と間に

生まれている呼吸


ひとりの静寂をつくり

その呼吸を眺めているのも好き


呼吸には

心があらわれるといふから

肌のささやかな感触が

心の落ちついた一瞬に

空間そのものへ沁みて

息のやはらぎと

旋律を奏でていくように


茶湯は正直に

その心を映します


李 拝



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