しばらくを杭州に過ごし、
審評泡茶法を学び、人の体の官能を鍛えます。
十数年をかけて順に進めてきた体系の構築、
幾度となくこうして杭州にも過ごしてきました。
植物学に結ぶあらゆる視点からお茶の生態を知ることは、わたしにとって神秘の世界を覗くような気持ちになれます。
お茶淹れに無限の精神を養い心をつくり静かに真味を目覚めさせていくことと同じくらい年月をかけてお茶の体系から神秘を知り言葉と行為で伝えていくことも大切だと思っています。
はるか遠く深い茶の境地をこの瞬間に茶湯へ表現することの喜び、その先に命を伝えていく人としての自覚、大陸で手本となる人は真の技術、徹底された基礎、自在な表現力、困難や孤独さえも内におさめて、常に満ちたひと杯をもって何かそう生きるという姿で伝えて下さいます。
しるべとなる姿に触れたあと、ふっと息をとり戻し心静かにしていられることの倖せを知る、わたしがずっとお茶の道を歩いていきたいと思う理由のひとつです。
拝