「 'on reading 茶を読む印象と、時間を過ごすことからの気づき。」
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今回は月に一度、こころのお稽古とも称している 'on reading へ通われるIさんへ
お茶を読む時間の印象をお尋ねしましたところから、書翰をはじめました。
(書翰の内容はご了解を得て掲載させていただいています。)
Iさん
−
日々、時間に押し流されがちな自分を今に戻してもらえる時空間です。
道から階段を上がり、茶室へ入らせていただく間に気持ちが引き締まるように思えるし、
ほぐれていくようにも思えます。
読む時間に展開していく全ての’モノ・コト’は、日頃とは違う次元に感じられ、
興味深く感動しています。
L(李由羽)
−
Iさん、ありがとうございます。
お茶と触れられるなかで感じられる喜びは、どのような瞬間にありますか。
Iさん
−
読む時間は、お湯の湧く様子、炭の燃える色、注がれる湯の音、立つ湯気のゆらめき、
お茶をいただく茶杯をはじめ茶道具を拝見し触れること、
そしてお茶の香味と気配を堪能し、何らかのイメージがわいてくる..
その一連の全てに有難いなと喜んでいます。
自分の経験では、お茶を淹れて飲む方の喜ばれる様子、
こわばった身体や心がほぐれていかれる様子を見たとき、良かったととても嬉しくなります。
L
−
読む時間に求めていられることはありますか。
Iさん
−
新しく一歩を踏み出したい想いで一年前にお稽古をスタートしました。
日々にやりたいことを残してしまう自分から変わりたくて通い始めたのに、
こうして質問されたことから、日々を観察することができていないことに気づきました。
言ってることとやってることの差が大きいです。
でも茶室で味わう時間、空間、道具、茶、気、李由羽さんの人となりにはとても惹きつけられて、
行きたくなります。
私が知らないお茶の世界をまだまだ知っていきたいと思っています。
今後とも宜しくお願い致します。
【お声をお聞かせいただき、ありがとうございます。】
Iさんは長い年月、お茶を学ばれ楽しまれてこられた方ですが、茶を読む時間でお伝えしている内容は初めて聞くことが多い、と仰られます。
私がこれまでお茶に親しむ中で感じているのは、同じことを学び、同じものを見ていても、個人の考えや視点が違えば、その先の実践や理解は変わっていくもの、ということです。
それは、誰かの一つの答えに合わせていく学びではありません。
気づく点と点をどんどん繋げ、もっと視点をひいて、大きな一つとして全体を意識してみませんか。
情報や知識の中にも基本という大切な前提があり、確かにそこから学ぶことは無限にあります。
ただその学びをもって「こうしなければならない」ということは無い、ということです。
「出鱈目にしていい」ということでも無く、学ぶとは丁寧に一つ一つを重ねていくということ、
その上で、人が違えばその喜びは幾通りも生まれていい、それぞれが自立していればいいと考えています。
得てこられた情報や知識を、頭の中だけでなく体の隅々へ通していくと、叡智になります。
これは時間やエネルギーをかけるものになるけれど、自分の真実、その本物が濃くなっていきます。
Iさんは、これまでの人生でもう沢山のことを学び、知ってこられています。
ご自分のリズムで丁寧に、いま出来ることを存分に味わい尽くしましょう。
どうぞ、焦らずにゆっくりと、私も一緒にそうしていきますね。
いつも、ありがとうございます。
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私にとってもこの世は知らないことだらけ、まだ見えない心地も楽しいものですね。茶を通し、茶を通さずとも、人として今を学び表現していく時間をこれよりもご一緒できましたら嬉しく思います。
le you
#往復書翰は、茶室へお寄せいただいた感想や書翰を、お声の主よりご承諾いただける範囲内で綴ってまいります。皆さまとお茶とのご縁がこれよりも素晴らしいものでありますように、謝謝。
茶室にご用意していますもう一つの時間、〈茶、一席'on falling〉言葉を越えた優しい時間と健やかな茶湯をいただきながら、心をも味わいます。
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