November 17, 2015

 

飲む時間から茶葉の標本を採る。

 

数千年前より変わらない農法で、人の手によらず自分の力で生き、

それが自然生態系の一部として絶えず循環している。

 

多くを求めず豊かさを生み出す山岳民族の性に守られた場所にだけ、

生き続けることのできるお茶の樹がある。

 

その野生がひとたび体へ染み込んでゆくと、

もう忘れることのできなくなる余韻、

悲しくなるほど深く、揺れるほどに魅了されていく。

 

枯れ色に染まるちいさな溜息たち、

儚く美しい それはある秋の生態に宿るものより。

 

 

October 17, 2015

どこからともなく吹き染める秋風と、

小屋を訪ねて下さった庭居と交わした本の言葉が体をとらえ心から離れなくなって、

お茶を想うその一章を繰り返し読んで過ごす朝。

 

陸羽の云う 日を慎ましく生きること、その先に何が見えるのでしょう。

 

心に備えをおいて、直をみつめ、風が頬に触れたら流れる音に耳を寄せ、

静かに風景を描きずっと遠くを味わう。

 

寂寥にあっても傍らにお気に入りのひと杯をおいて、

ただ お茶を読む人に憧れる。

 

 

September 11, 2015

 

ただ一枚の葉に、かすかな風のひとむれとひと掬いほどの土の匂いがする。

 

しなやかで深く、切なくて温かい。

 

ただ一瞬のうちに、自分の存在が体の輪郭が消えていくのを黙って眺めていた。

 

急いで焦る心、迷いながら悩む心。

 

ただ一杯の茶湯に、生きた力が溶け出してゆっくりと体を潤していく。

 

師は自然に寄り添うほど解き放たれていけたらいい という。

 

 謝謝

 

 

 

 

 

August 31, 2015

夕暮れどきの雨の空。

 

寝転んだままじっとしていると、どこからか山の匂いのする風が吹いて、

立ち込める薄青に光がさすのをただ待っていた凍頂山の朝霞の中の風景を思い出している。

 

ほうっと吐く息が紅く色づいて、あたりに染みていくその生温かさは、

日の名残りにとりとめのない気持ちを描いていくよう。

 

 

 

なだらかで深く尖りのないさらりとした甘い口福。

熟成を経てそろそろ封切りのとき。

 

 

July 4, 2015

ものさびしげな
山のあなたへ

 

沈む一日は
モノクロームの奥に

 

静けさへ彷徨い
うごきだす影に

 

近づいて
たぐり寄せて

 

茶水にほどく
宵のとき 雨

 

 

June 5, 2015

まだ浅い時間、
窓の向こうに絡みあう木々の線と線は黒い影に濡れている。

鞄のポケットから破れた薄い半紙に包んだままの睡蓮を取りだして、
紅一輪、生温かい湯に息をほどく。

喉に淡くまどろみ、体の中へするすると流れる、巡る花の湯。

二日前に届けてくださった睡蓮が、
時知れず夢から覚めたように、ぼんやりと開き始めていた。

枯香睡蓮、
からだを温めて暗がりの奥深くヘまた眠りに誘なう、果てた心の隙間、
ひととき。

謝謝

 

May 5, 2015

ちいさな杯に
ただひと芽の浮かぶ

いと おさなくて
いと 柔らげに

その偶然をみて
かすかな味を感じる

しげしげ と
ほれぼれ と

ほぅっと吐いた息が
もの柔らかな夜に
消えていく

このときだけの口福
ひととき 春の野を想はせる


新茶上市
2015明前松萝茶
中国安徽省黄山市休寧産

香りはオリーブのようと喩えられ、
おおらかで深みある毫の甘さが旨みにかさなり、
柔らかな余韻の続く早春緑茶。

徽州茶の始祖と称され中国炒青緑茶の発祥地、松羅山让福寺の大方和尚により工芸された古代に
は漢方として用いられていた五百年余り...

April 13, 2015

春の雨降る日

とろりとした空色の茶水に美しい景色を見る。

 

雨の光

雨の音

雨の匂い

雨の佇まい

 

ゆらゆら

微かなものを追いかける。

 

息をついて目を閉じれば

体に潤った茶はゆっくりと雨の景色を包んでいく。

 


 

March 12, 2015

木蓮、
鼻先を潤すその芳しさは


息の深くへ呑みこもうとしても
ふうわり
風の行く先へ消えていく

こぼれた花の
はかなげな匂いは
その影うつる手の中の杯に
いつまでも揺れている

広東省潮州市鳳凰山烏龍茶
雪片 玉蘭香
(玉蘭:ハクモクレンの漢名)

 


花譜 紫木蓮、白木蓮

茶譜 鳳凰単叢茶「玉蘭香」
甜品 ふくみ木蓮
    ちり木蓮

 

感念 ,茶館モクレンより@K fleurs
 

February 23, 2015

 

新しい繋がりと深くなる交わり、浮かんだ記憶に思わず息を吸い込んだ。
中国大陸西隣国境近くに住む少数民族管理下の自然栽培生茶を飲む時間。

手がかりなく戸惑うふうで杯をすすめる人たちに、
自然から与えられた旬のお茶はついで場の気配を変えていく。

杯に視線を映したまま、ことばの一つ一つに心を働かせる人。
なにか懐かしい気持ちになるよな、目を動かせてそのなにかを思い出そうとしている人。
ぼくは生茶が好きになったよ、背筋をのばし嬉しそうにして下さった白い髭むくじゃらの人。
中国をみる視点が変わりそう、大地図を見上げて小さく呟いた人。
...

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日日茶記

日日と流れる時間

過ぎる景色

此処にひととき佇み

お茶 ふと 遊ぶ

 

安_Ang

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