冬
・
一
月
ある冬のあたたかな
雨の降るひ、
11:54
カヌーに乗り、漕ぎだした
湖上の視界はモノクローム
濃やかな雨の粒が
水へしずむ一瞬に
にじんでとろみ
揺れても静かで
あぁぁ もぅ消えて
どこにも、いない。
漕ぐのをやめて
凪に浮かび、流れていると、
この先にもしも何かが
起こったとしても
いつでも静けさの中に
いていいんだよ、
そう自分の内がわから
声が聞こえてくる。
ほぅっと息をついた
穏やかさがとっても気持ちいい。
( 真森のharmonious archive | 54.うとぅるべ)
le you
茶、一席 ' いのりとわ
・自然を由来とする植物という命、清らかな場の静けさのなかでお茶を読むように、ひとときを丁寧に見つめながら、淹れて、口へふくむと、
仄かな匂いは息のとおくまでを染めて、味は濃やかな水のように身体へ溶ける、山の霊氣は茶湯の深みにあらわれ、心の底までゆっくりと響いていくものになる。
ひと杯、また一杯と重ねていくごと、生まれた種々の表情に癒やされて、そのうつくしさに微笑みあう人のあいだで温もりを知り、茶湯と息を合わせるだけで愛おしい感覚がふぅと今に満ちていく、
お茶の席へ、ご案内します。
森 を 想う 休憩室
・森の話をしたくなったら立ち寄れる場所、主に森を訪ねる方のための休憩室となればいいな と想いのふくらむままに、空間へ手をあてて整えています。
森を愛してやまない人たちの眼差しに触れたいし、その密やかな悦を知りたい、わたしも自分の体感をもって親しんでいる森のうつくしさやしくみを伝えたい、森といるともぅもぅ心底から癒やされて、全身全霊が溶けていく。
ほんとうに全部がここにある、そう感じられる森への愛を交流させていく場所を、今年ひらくことが叶えられますように。
作品
・日本の北から南それぞれの場で暮らしを営み、自然やものや人と優しい関係を築きながら集うことの心地よさを尊び合える創り手の作品を、「森を想う休憩室」と、時々こちらの頁にも展示いたします。
北奥やご縁ある土地より分けていただく天然素材とその源泉ごとを染ゅませて創作しているけはい香も、形となる時々に展示販売をします。
この調和の世界に生じる愛着を形づくる、森に教わるいのちの風景が表現されることをお祈りしながら。
うつくしいことが
毎日毎日、今という瞬間にある、
そのどうしてもうつくしい光景を
あなたに見てほしい、
ゆるまって
ひろまって
縦横無尽に動いているうつくしい
を 観察してほしい、
森へ、お茶を、暮らすようにして、
静けさと遊び、自分の声を聴く、
わたしはご案内をしたくて
うずうずしながら
暮らしの隣に扉をひらいて
お待ちしています。
李由羽 | about